なんだこれミステリーで、13歳の少女失踪事件が取り上げられました。
約30年前にアメリカで起きた少女失踪事件で、番組ではエイミーと呼ばれていましたが、
本当の名前は「メアリーデイ」失踪事件といいます。
この事件は奇妙な点が多く、さまざまな謎が残されています。
「エミリー(メアリーデイ)失踪事件って何が起きたの?」
「事件の真相は?お姉ちゃんは別人ってホント?」
など、気になりますよね!
そこで今回の記事では、メアリーデイ失踪事件の真相を徹底解説していきます。
メアリーデイ失踪事件とは

ことの始まりは、1994年4月アメリカのカリフォルニア州にある警察署にある奇妙な失踪届が出されました。
失踪届を出したのは、シェリー・カルガノ(23)という女性。
13年前(2008年)カリフォルニア州シーサイドの自宅から、姉のメアリーデイが突然姿を消した
失踪届には、いくつも奇妙な点がありました。
メアリーデイ失踪届の”奇妙”な点
この失踪届の奇妙な点とは、
- 両親は娘がいなくなったにも関わらず、気にもとめなかった
- 「家の裏庭には絶対近づいてはいけない」と不可解なルールがあった
- 13年経ってから初めて失踪届が出された
いやいやこれはきな臭い事件ですな〜!
メアリーの妹シェリーは、大人になってから「裏庭に失踪の手がかりが隠されているのでは」ないかと思い始めて失踪届を出すにいたったそうです。
メアリーデイ失踪事件の全容
メアリーデイの失踪届が出されて8年後の2002年、カリフォルニア州シーサイド警察署のジョー・ベルテナ刑事がこの事件を担当することになりました。
ジョー・ベルテナ刑事は、メアリーデイの「社会保障の記録」「生活保護」「運転免許証の取得」「クレジットカードの使用歴」などひと通り調べましたが…
メアリーデイの痕跡は何も見つけられませんでした。
アメリカで痕跡を残さずに生活していくのは無理じゃね?
単純に、この調査結果を見るとメアリーデイはこの世に存在していないことになります。
カリフォルニア州シーサイド地区の学校を調べてみても、メアリーデイが通っていた記録は残ってませんでした。
メアリーデイが子どもの頃にいったい何があったのでしょうか。
メアリーデイ失踪事件|生い立ちや子ども時代
ジョー・ベルテナ刑事は、当時のメアリーデイについてもっと詳しく話を聞こうと妹のシェリー・カルガノに連絡を取りました。
メアリーデイは1968年2月19日に誕生。
母親はシャーロット・デイ、父親はチャールズ・デイの長女で、
数年後に次女のシェリーと三女キャシーが生まれる。
しかし、母親のシャーロットは子供のお世話をほとんどしなかったため里親に引き取られることになりました。
1976年に、メアリーデイが8歳のとき両親は離婚します。
直後、母親のシャーロットは軍人のウィリアム・フーレという男性と再婚しました。
このとき、次女のシェリーは里親のもとでそのまま養子になり、メアリーと三女のキャシーは自宅に連れ戻されました。
だから血のつながっている姉妹なのに、苗字が違うわけね
しばらくすると、ウィリアムによるメアリーデイへの虐待が発覚。
メアリーデイは、児童保護局に保護されて、家族と別々に暮らすことになります。
ウィリアムは軍人のため、仕事の都合で一家はアメリカ国内を転々としたあと、1978年にカリフォルニア州のシーサイドに移住しました。
このタイミングで、メアリーデイも児童保護局からウィリアム一家に戻ることになります。
1981年7月、シェリーは里親のもとからウィリアム一家へ久しぶりに遊びに出かけたとき、奇妙なことに気づきます。
シェリーは、キャシーに「何があったの?」と聞くと、
「シーッ!何も言わないで。メアリーのことは話してはいけないのよ」
と、小声で返されるだけでした。
それでも心配して気になったシェリーは、母親に質問します。
「メアリーは逃げ出しただけよ」
と答え、それ以上なにも話さなかったといいます。
???どういうことだってばよ…
疑問と心配がありましたが、当時シェリーは10歳だったので、母親の言葉を信じるしかありませんでした。
メアリーデイ失踪事件|妹シェリーの証言
ジョー・ベルテナ刑事は、三女のキャシーからも話を聞きました。
キャシーは、メアリーデイが失踪する前日の出来事をよく覚えていました。
キャシーはメアリーデイと一緒に留守番をしていた。
夜になり両親が家に帰ってくると、義父のウィリアムが突然キレて「俺の犬がキッチンで死んでいる。お前が毒を盛ったんだろ」とメアリーデイに向かって怒鳴り始める。
メアリーデイは犬が死んでいるのには気が付かず、毒を持った事実もないので否定したが、ウィリアムの怒りは収まらず。
そしてウィリアムはメアリーディに手をあげる。メアリーデイの悲痛な叫びが家中に響き渡った──。
キャシーがメアリーデイの姿を見たとき、口から血を流して倒れていたといいます。
翌日、メアリーデイは家から姿を消していました。
両親は娘がいなくなったにも関わらず、まったく気にする様子も見せませんでした。
そして、
「裏庭には絶対近づかないように」
という、謎のルールを作りました。
その日以降、キャシーは裏庭には近づいていませんでした。
メアリーデイ失踪事件|裏庭に隠されていた真実
この話を聞き終えたジョー・ベルテナ刑事は、キャシーを連れてシーサイドの自宅に訪れました。
現在、ウィリアム一家は空き家になっており、建物は当時のまま残されています。

キャシーは「そっちへ行ってはいけないって父が言ってたんです」と、裏庭を指差しました。
裏庭にはもしかして、メアリーデイが…?!
ジョー・ベルテナ刑事は、それをハッキリさせるため4匹の警察犬を引き連れて捜索しました。
すると、警察犬はある木の根元に反応しました。
ここに何か埋まってるのではないかと、その場所を掘り起こすと…
子供用の靴を発見!

しかし、同じ場所をずっと掘り続けても他のものは見つかりませんでした。
ジョー・ベルテナ刑事は、疑問に感じる点が浮上。
このとき現場にいたのは遺体捜索犬だけで、人の遺体のみ反応するよう訓練された犬だったからです。
ということは、ここに必ず遺体が埋まっているはずなのです。
さらに奥深く掘り進めましたが、何も出てきませんでした。
警察犬が間違ってるはずないしなぁ
メアリーデイ失踪事件|容疑者が浮上
不可解な状況でしたが、刑事たちはこのような結論にたどりつきました。
遺体は埋められていたのは事実。でも今は無い。
つまり、別の場所に移動させられた可能性が高い。
警察は、メアリーデイが失踪した時点で◯害されていたのだろうと推測し、
両親のシャーロットとウィリアムを容疑者にしぼりました。
このとき両親はカンザス州に住んでることが判明し、取り調べが始まりました。
母親のシャーロットによると、
- メアリーデイが家出をすることはそれまでに何度もあったので、気に留めなかった
- 夫によれば警察に失踪届を出したはずと曖昧な記憶
しかし、警察には夫からメアリーデイの失踪届が出された記憶は残っていませんでした。
次に、夫のウィリアムに【メアリーデイ失踪の前日に起きた出来事】について聞き出しました。
と、メアリーデイに暴力をふるったことは認めました。
取り調べが進むにつれ、ウィリアムがメアリーを◯害したことを自白する寸前まで辿り着き、警察は自分たちの捜査が合っていたことを確信しました。
しかし、事態は思わぬ方向に転がります。
メアリーデイ失踪事件|死んだはずのメアリーが生きていた?
2003年11月、シーサイド警察署にアリゾナ州フェニックスの警察署からある電話がありました。
その内容は、交通違反をした車を止めて運転手のIDを調べたところ、メアリーデイの記録と一致したというのです!
ナ、ナンダッテー?!
ジョー・ベルテナ刑事は唖然としましたが、フェニックス警察署に行きメアリーデイらしき女性の写真を撮りました。
こちらが、そのときの実際の写真です。

メアリーデイが生きていれば当時35歳。
この写真を見たシーサイド警察署長は、たしかに年相応に見えるが、子供の頃のメアリーと比べるとあまり似てないと感じたといいます。
メアリーデイには、30代になったイメージ図が作成されていましたが、そちらの顔とも似てませんでした。

「本当に本人なのか?」と確かめるため、ジョー・ベルテナ刑事はメアリーデイと名乗る女性に話を聞くことにしました。
メアリーデイは13歳のとき両親から逃げ出したあと、人目を避けるようにして、辺境地帯を転々とする生活を送っていました。
そのとき、「警察に捕まって自宅に連れ戻されたくない」という思いから、
モニカ・デヴェローという偽名を使っていたと明かしました。
そして、失踪前日の出来事について語り始めました。
メアリーデイ失踪事件|失踪前日の出来事
「あのときは混乱していて、何が本当の出来事だったかわからないの。
ただ、ウィリアムが私の頭をバスタブに叩き続けて、痛かったことは覚えている。出血したのはそのとき。それ以外のことは思い出せない」
メアリーデイの話は断片的で、当時のことはほとんど覚えておらず、ウィリアムの犬が死んだことも思い出せませんでした。
ここでメアリーデイとジョー・ベルテナ刑事の面会が終わります。
いや本当に本人なんだろうな??
ジョー・ベルテナ刑事は、念の為メアリーデイ(仮)の女性のIDを調べてみると、わずか3週間前にアリゾナで発行されたものだと判明しました。
それは、シャーロットとウィリアムに取り調べをした時期と重なりました。
このタイミングが怪しく、両親に容疑がかけられた直後にメアリーデイはIDを取得し、交通違反で20年ぶりに姿を現したことになります。
単なる偶然とも思えないし、失踪当時13歳だったメアリーデイがどのようにして生活してきたのかまともに答えられなかった点が不信感を募らせました。
警察は、親子のDNA鑑定を決定しました。その結果、
なんと、本物のメアリーデイ!
シェリーとキャシーは20年ぶりにメアリーと再会をして、しばらく一緒に住むことになりました。
よし、これでハッピーエンド…
と思いきや、数ヶ月後に意外な展開になります。
メアリーデイ失踪事件|メアリーの正体不明疑惑
妹たちは、一緒に暮らしているうちに姉のメアリーデイに違和感を持ち始めます。
シェリーは「何かが違う」とジョー・ベルテナ刑事に相談しました。
あくまで直感でしかありませんが、メアリーデイは本当の姉ではないというのです。
キャシーもまた、メアリーデイの正体に疑問を感じていました。
その根拠は、「小さい頃約束した合言葉を覚えていない」ことです。
メアリーデイが失踪する数年前、実の父親のチャールズ・デイが交通事故で亡くなっていたときのこと。
子どもたちは、18歳になったら遺産を受け取れる決まりになっていた。
18歳まで最悪なウィリアム家で我慢して、そのときがきたら遺産を使って3人で家を出るという約束。そのときの合言葉は「モホーク」
合言葉は、メアリーデイとキャシーが毎日のように使っていた秘密の言葉で、決して忘れるものではありませんでした。
また、メアリーデイは昔の記憶が断片的で、姉妹で話がまったく噛み合わなかったそうです。
他にも気になることがあり、メアリーデイの話し方がアメリカ中西部か南部訛りのような独特のアクセントがあったのです。
「失踪前はそんな訛りはなかった」とキャシーは主張しました。
言語の専門家たちに録音したメアリーの音声を聴かせると、全員一致で「これは南部の訛りだ」と断定しました。
このアメリカ南部のアクセントを習得するには、言語形成される10歳までに南部で過ごさないといけないらしい
しかし、メアリーデイは10歳までに南部で暮らしていた事実はなく、南部を訪れたのは大人になってからだったのです。
メアリーデイ失踪事件|両親の「死体遺棄」の証拠が出てくる
捜査開始から6年後の2008年、シーサイド警察署にカリフォルニア陸軍基地の捜査官から電話がありました。
捜査官によると、
ということは、裏庭で見つからなかった遺体が移されている可能性が出てきました。
その空き家の敷地を掘り起こして調査しましたが、またしても遺体は見つかりませんでした。
遺体が埋まっていたと思われる場所の土を研究施設に送って分析をすると、遺体が埋まっていたとされる痕跡が見つかりました。
じゃあやっぱり遺体があったのは確定か!
メアリーデイの両親は遺体を2回移動させた疑いが出てきました。
その遺体はほぼメアリーデイではないかと思われます。
メアリーデイと名乗る女性はたしかにDNA鑑定ではシャーロットの娘と結果は出ましたが、シャーロットにはメアリーデイを生む前に娘を出産していた疑いが出ていました。
この子どもが出生届も出されずにどこかで密かに生き延びていたとしたら…?
ジョー・ベルテナ刑事が両親に取り調べをしたあと、シャーロットはその「秘密の娘」に連絡をとりメアリーデイになりきるように仕立てたのではないかと考えられます。
シャーロットの秘密の娘がメアリーデイになりすます動機は、チャールズデイの遺産600万円を受け取る権利で実際に受け取っていました。
メアリーデイ失踪事件の真相
2017年、メアリーデイ失踪事件の捜査はジュディ・ベロスというシーサイド警察署の署長代理に引き継がれました。
ベロスは、メアリーデイを名乗る女性とチャールズ・デイのDNA鑑定も試みたところ、一致する結果となり不倫相手との子どもの説は完全に否定されました。
次に、裏庭で見つかった子供用の靴を改めて調査すると、5〜6歳のものと見られ、高身長だった13歳のメアリーデイの靴にしてはあまりにも小さすぎたので別人の靴と断定。
メアリーデイが突然アリゾナ州のIDを取得した理由についても、
メアリーデイは当時は病気を患っていて、すぐに手術が必要だったので州からの支援が必要だったため身元が証明できるIDを取得したという流れでした。
出生証明書は、地元の非営利団体が協力して探してもらったらしい
メアリーデイ失踪事件|メアリーの記憶が曖昧だった理由
メアリーデイが過去の記憶もほとんどなかった理由は、アルコール依存症のためでした。
10代のころから深刻なアルコール依存症に苦しんでいて、成長期にアルコール依存症になると記憶の欠落はよく見られます。
メアリーデイが昔のことを覚えてない結論としては、
との理由になります。
これにより、メアリーデイがすでに◯害されているシーサイド警察署の主張は崩れ始めました。
ベロスがアリゾナ州のメアリーデイの自宅を訪れたとき、このとき末期ガンにおかされて療養生活を続けていました。
メアリーデイ失踪事件|失踪後の生活
失踪したあとのメアリーデイは、モーリー・キンベルという女性と15歳のときに出会い、しばらく一緒に暮らしていました。
モーリーはメアリーデイに対して自分の娘のように大切に接していましたが、メアリーデイは1年後モーリーに何も言わずに去ってしまいます。
モーリーが当時、出会った直後に撮ったという実際の写真はこちらです。

ベロスはこの写真を、最新の顔認証研究施設に持ち込み顔の照合をしてもらいます。
すると、99.9%の確率でこの写真の人物はメアリーデイだと証明されました。
本物のメアリーデイだったんだね…
その後、メアリーデイは病気のため49歳でこの世を去りました。
36年間、さまざまな人が翻弄されたメアリーデイ失踪事件は幕を閉じました。
しかし、空き家の遺体は誰だったのか?現在も分からないままだといいます。
まとめ|メアリーデイ失踪事件の真相と全容!姉は本物?【なんだコレミステリー】
今回は、メアリーデイ失踪事件について真相をまとめました。
何度も展開がひっくり返るすごい事件でしたね。
残っている謎はあるものの、メアリーデイが本人だと証明されて失踪事件が解決した点はよかったと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
別の事件でいくつか民家を捜査していたところ、ある1軒の空き家に遺体捜索犬が反応を示した。その空き家の過去の持ち主を調査すると、メアリーデイの両親シャーロットとウィリアムが所有していたと判明。
そこへ引っ越してきた時期は、メアリーデイが失踪してから日が浅かった。